乙4

『危険物』とは~印象とこの試験のギャップを埋めましょう~


消防法という法律が肝になっています。

乙4試験の危険物とは、『消防法が規定する危険物』であり、その根拠が以下の条文になります。

『危険物とは、別表第一の品名欄に掲げる物品で、同表に定める区分に応じ同表の性質欄に掲げる性状を有するものをいう。』(消防法第二条7項)

つまり、この別表にその品名があるもの、及び、同じようなもの、が危険物という訳です。

試験対策的に大きいのは、『危険物には、気体は入らない、固体及び液体のみである』という事で、この事だけで答えられる問題すらある、重要ワードです。

また、消防法とは、その最初、第一条に目的が記載されています。以下全文です。

『この法律は、火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、火災又は地震等の災害による被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行い、もつて安寧(あんねい)秩序(ちつじょ)を保持し、社会公共の福祉の増進に資(し)することを目的とする。』

つまり、火災予防、及び消火なのであります。これは、イメージどおりでしょう笑

火災を予防するから、燃えているものの事を学び、消火の仕方を学ぶ。そのためには、燃焼とは何かを学ぶ。という事が内容の試験になるという事です。

先ずは、試験範囲を確認しましょう。

①危険物に関する法令(法令)

②基礎的な物理学及び基礎的な化学(物化)

③危険物の性質並びにその火災予防及び消化の方法(性消)

①が云わずと知れた、消防法で、②が予防や消火を詳しく見るのに物理・化学が要(い)って、

③は危険物自身を詳しく見ていきましょう、という事です。

またこういう見方も出来ます。 

(すいません、図が入らないので、画像を貼っときました。見づらくて申し訳ない)

上記のピラミットは、乙4試験のイメージ図です。まあ、この世の中で物理化学という世界の中で、消防法という法律があり、この法律が規定する『危険物』があります。つまり、危険物というイメージ全般が対象ではなく、あくまで、消防法の危険物なのです。例えば、プロパンガスやあの事件で有名なサリンなどは、危険物には違いないが、気体なので危険物ではないといった具合なのであります。その危険物は第1類から第6類まであり、第4類が乙種4類試験の対象であるという事なのであります。

乙種とは、危険物取扱者の事で、甲種が第1~第6類全部が対象、乙種はその第1~第6類それぞれに資格試験であり、勿論複数所持もOK。丙種は、乙4の限定範囲の取扱者となります。

円グラフは3分野等分に描いていますが、実際は

①15問、②10問、③10問の計35問の出題で、試験時間は2時間30分です。

合格ラインは各分野60%を超える事なので

①法令9問、②物化6問、③性消6問、正解すれば合格です。

余談ですが、世の中の資格試験とは、結局、法律適合性の回答(造語です、念のため)なのであって、この試験は消防法に関して答えるものであります。法律は大まかですが

法律⇒政令⇒規則

という体系になっていて、この⇒が川上から川下への流れを意味し、法律ありきで政令は補足、規則が更にその補足という関係性です。この試験は消防法ですから

消防法

⇒危険物の規制に関する政令

⇒危険物の規制に関する規則

となっています。

つまり、この試験の法律適合性ですが、これらの法規すべてを含みます。

この問題を見てください。

法別表第一の危険物の説明として、次のうち正しいものはどれか。

(1)第一類から第六類に分類されている。

(2)甲種、乙類、丙種危険物に分類されている。

(3)類が増す毎に危険性が高くなる。

(4)常温(20℃)において固体、液体、気体がある。

(5)特に危険な危険物は、特類に分類される。


(2)の甲種、乙種、丙種は危険物取扱者の種類の事で、危険物の分類ではないですよね(4)は危険物に気体が入っていますね(5)は特類ってありませんよね。


ここまでの知識だけで、もう、(1)か(3)には絞れます。(3)は実はそうではないのですが、知らないとしても(1)は間違ったところが無いですよね。これは(1)だろう、というわけで回答できるわけです。

この講座(?)の基本的な考え方は、出来るだけ、丸暗記を避ける事を目標としています。

            Ⅰ知識で回答

精査したまとめ知識⇒

            Ⅱ(知識に基づき)感性、感覚、勘で回答

丸暗記でも大した試験範囲でも無いので有効ですが、基本的な事を抑え、それを元に『考えて』答えを出すスタイルだと、覚えること少なくて済みます。判断する感性とか感覚という事が、大事になってきますので、そちらを鍛える、でも特別な事をするのではなく、出来るだけ実際の問題を解く、で、その理屈を覚える。こちらの方が、早い&労が少ない、と思います。イメージで覚えておいて、『勘』を磨いて回答する、といった具合です。

問題を絞る⇒勘、感性、感覚、経験、自分のオリジナルで1個選ぶ

絞れん問題、一個に出来ん問題、に関しては、まあ、出鱈目(でたらめ)もありです。そういう事もしっかり答え合わせをして、間違った問題でも、次の問題の糧とする、といった具合を目指します。

では次の問題

法令上、危険物に関する記述について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)法別表第一の品名欄に掲げる物品で、同表に定める区分に応じ同表の性質欄に掲げる性状を有するものをいう。

(2)酸化性固体、可燃性固体、自然発火性物質及び禁水性物質、引火性液体、自己反応性物質、酸化性液体に区分されている。

(3)危険物の性質により、第一類から第六類に区分されている。

(4)危険物とは、1気圧において温度零度で固体又は液体の状態にあるものをいう。

(5)法別表第一の品名欄に掲げられているもののほかに政令で定められているものもある。


これは、(1)(3)だけが『正しい』とわかります。さあ、後は勘です、いかがですか?笑

(4)なんですよ答えは。『固体又は液体の状態』という表記は正しいのですが、実は『温度零度』というのが間違っている訳です。ほか(2)はその順番通りに第一類から第六類の性状というやつでして(5)はそのとおりなんです。


問題を見て貰うと分かるのですが、この試験は5択の、マークシート方式が採用されています。

という事で『誤っているのはどれか』『正しいのはどれか』というのが大半で、あと、この発展形で『正解の組み合わせ』、『誤っているものの組み合わせ』を答えさせるもの、などがあります。問題文を読んだ時、先ず、『何を聞いているのか?』を確認してください。最後の『正しいのはどれか・誤っているのはどれか』の個所に〇を付ける事を習慣化してもいいと思います。『知っているのに勘違い』は非常に勿体ないし、また問題数が割と少ないので、1問ロストすると影響が大きいです。法令で間違えられるのは6問(15-9)、物化・性消では4問(10-6)ですので、割と貴重です。


ここから、物化に特化して考えてみましょう。

先ずはこちらをご覧ください。

https://kikenbutu-web.com/buturikagaku.html

先ずは、〇×問題からやってみましょう。5択問題もやってみてください。


先ずは、〇×問題から少々まとめを書き留めました。

問題1

☆水は4℃で体積が最小

という事は密度との絡みを考えます。密度=質量/体積(単位g/㎤)なので分母が最小になるということは、密度が最大になる訳です。今回は体積を問うているので最小ですが、密度で問われると最大という事になる訳です。問題文に『水か4℃で』ときましたら『体積』か『密度』をチェックしましょう。

☆状態変化

物理変化VS化学変化は 

https://kikenbutu-web.com/buturikagaku/kagaku01.html

を見て下さい。具体例で覚えましょう。この問題は本番に1問は必ず入っています。状態変化は勿論物理変化です。具体例で覚えるのは鉄板ですが、

物理変化⇒変わらないもの、化学変化⇒変わってしまうもの

ということが、おおよそのイメージです。

☆常温常圧

危険物試験では『常温常圧は20℃、1気圧』で、この条件の時に固体、液体、気体かどうかが状態変化の状態の基本になります。

問題2

☆消火器の色

油火災は黄色です。他の火災では普通火災は白色、電気火災は青色です。

これは少し細かいですが、覚えておきましょう。ここに消火剤の内容と絡まってくるのですが、先ずは色だけでも油=黄色、電気=青、白は普通、これだけでも。

☆氷の比重は1より小さい。

だから、水に浮かぶ。ということです。『水が4℃』の時、密度が最大なので、水の融点が0℃なので、まあ、そういうことで。


問題3

☆法則系

パスカルの原理、オームの法則、ジュールの法則、質量保存の法則、ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル・シャルルの法則、ドルトンの法則、アボガドロの法則のことになります。

これを、無味乾燥に読んだまま覚えてもすぐ忘れます&ややこしくなります。ので、覚え方を工夫する必要があると思います。

カタカナが付いてるのは発見者の名前、ということは、この法則性を発見した歴史があり、そういう逸話とともに覚えたりすると、より記憶に残るかも。

ちょっと全くの余談ですが、この乙4試験の傾向として、『(中略)が〇〇の法則である』と来た場合、大体〇というか正解の文言だったりします。全く根拠はないですが、ただでさえややこしい法則の中身に『捻(ひね)り・嫌味・引っ掛け』を持ってくるほど、出題者も厭(いや)らしくない気がします。


問題4

☆物質の種類

先ず『物質』は『純物質』と『混合物』に分れます。

『純物質』は『単体』と『化合物』に分れます。

『単体』⇒1種類の元素でできています。水素(H)、炭素(C)、酸素(O)など。

『化合物』⇒2種類以上の元素でできています。水(H2O)二酸化炭素(CO2)など。

『混合物』⇒2種類以上の純物質が混合しています。化学式が書けません。

空気、石油類(ガソリン、灯油、軽油、重油など)、食塩水、砂糖水、希硫酸(硫酸と水の混合物)など。


続く笑

続き笑

問題5

☆静電気

静電気とは、摩擦によって帯電が起こる現象です。帯電とは、まあ、電気が貯まるということです。仕組みはまあ飛ばしておきましょう笑

試験問題的には、導体、不導体と絡まってきます。電気を良く通すものが導体、不導体はその逆で、電気を通しにくいものです。導体は電気を良く通すので、電気は貯まりにくい、という事です。だから不導体のモノの摩擦がより帯電しやすいという事になります。

帯電のパターンは接触帯電、流動帯電、沈降帯電、破砕帯電、噴出帯電、誘導体電とありますが、静電気の発生防止の方法がよく問題になりがちです。

①発生を少なくする方法

  • 摩擦を少なくします(面積を小さくするとか)
  • 接触する2つの物質を選択します(抑制効果)
  • 導電性材料を使用します
  • 流速・速度を制限します(遅くするということ)

②蓄積を生じないようにする方法

  • 接地(アース)をします
  • 湿度を上げます(蒸気、水は電気を通すので、電気の通りを良くするという意味です)
  • 帯電防止服、帯電防止靴を着用します(合成繊維×、木綿〇)

☆燃焼理論

燃焼とは

物質が酸素と結びつくことを酸化といい、酸化のうち熱と光が発生するものを特に燃焼といいます。

燃焼の3要素

①可燃物(可燃性物質)⇒木材、紙、石炭等、有機化合物、二酸化炭素は不燃物ですが一酸化炭素は可燃物

②酸素供給源(支燃物)⇒酸素(空気中、可燃物自体の内部に含まれる、酸化剤等に含まれる)

③点火源(熱源)⇒火気、静電気。融解熱や蒸発熱は点火源にはなりません

どれか1つでも欠ければ燃焼は起こりません。したがって消火は、このうちどれか1つをとりのぞけばよい、という事になります。

燃焼の種類

固体の燃焼

  • 分解燃焼⇒炎が出ます。固体が加熱により分解される際に発生する可燃性蒸気が燃焼するものです。

例)紙、石炭、プラスチック

  • 自己燃焼(内部燃焼)⇒分解燃焼の一種で固体自体に含まれる酸素によって燃えるものです。

例)ニトロセルロース、セルロイド

  • 表面燃焼⇒表面だけ赤く燃える燃焼です。炎は出ません。

例)木炭、コークス

  • 蒸発燃焼⇒加熱された固体が熱分解せず蒸発して、その蒸気が燃える燃焼です。

例)硫黄、ナフタリン


液体の燃焼=蒸発燃焼

液体そのものが燃えるのではなく、液面から蒸発した可燃性蒸気が空気と混合し、点火源により燃焼します。

例)ガソリン、灯油


気体の燃焼

可燃性ガスと空気が一定の濃度範囲で混合する必要です。


☆消化理論

消火とは、燃焼を中止させることだから、燃焼の3要素(可燃物、酸素供給源、点火源)の1つを取り除けばいいということです。

消火の4要素(3要素は④以外の3つ)

①除去消火⇒ガスの元栓を閉める、とか。

②窒息消火⇒蓋するとか、砂かけるとか。

③冷却消火⇒水かける、とか。

④抑制消火⇒連鎖反応の遮断、ガソリンの火災にハロゲン化物を使用、とか。


続く笑

2018.04.25追加

危険物の分類

https://rcwww.kek.jp/chem/gyomu/kiken.html

少し細かい、見づらいですが、拡大して見て下さい。

先ずは、左側2列の、『類別』、『性質』を見て頂いて、覚えて下さい。この分類は重要事項です。乙4は、第四類の引火性液体の事です。第四類の『品名』の7つと『指定数量』を絡めて覚えて下さい。同じ品名でも『非水溶性』『水溶性』で指定数量が変わりますが、丁度倍数の関係になっています。上から順に覚えると、数字と共に覚えやすいです。

①危険物の6類を性質で覚える事

②乙四の品名と指定数量を覚える事(上から順番に覚えるのがコツ)

先ず、これをガッチリ覚えて下さい。それから品名ごとの引火点や沸点を大枠で抑えて、品名ごとの代表的な物質を覚えて、且つ、その物質の性質を覚えるようにした方が効率的です。


https://www.shoubo-shiken.or.jp/kikenbutsu/exercise.html

上記は協会のホームページです。

『甲種試験』『乙種第4類試験』『乙種第1、2、3、5、6類試験』『丙種試験』の過去問がPDF形式で見られます。実際出題された問題です。解答はあるものの、解説が無いので、間違えた問題の解説を調べてみて下さい。

閑話休題シリーズ

『実戦(仕事)と危険物取扱者資格試験(乙4)を絡めてみよう』

そもそも、仕事に役立つから乙4試験を受けるのであって、そこから考えられる受験への意味付けは個人の範疇(はんちゅう)という事とします。


という視点で日頃のお仕事を考えてみますと、いや、考え方というよりは、先ずは、周りを見渡してみますと、試験に関係のあるような、実際の問題に出てきそうな案件に一杯遭遇します。まあ、これも当たり前なのでありますが、余りそこばかり四の五の言っていても始まらないので、この辺で実際先ず目に入るものを考えていきましょう。


本棟の5Fにはいります。

まず『危険物一般取扱所』とあります。


これはどういう事でしょうか?


危険物自体の性質や燃焼の理論、消火の方法という事を勉強する事は勿論なのですが、そういう危険物を『取り扱う場所』というのが当然に存在します。それをこの試験では『製造所等』と表記していますが、それぞれに呼び名があり、取扱が変わるということになります。


大きくは製造所、貯蔵所、取扱所、という3つになります。

ここでいう『製造所』とは、『危険物を製造する施設』とありますので、化学工場にでも行かない限り、それ程この施設が頻発する場所は少ないと考えます。工業製品を生産している場所で対象の危険物を扱う場合は、この『製造所』には当たらない、貯蔵所、取扱所になるというのがポイントです。


『貯蔵所の種類』

屋内貯蔵所、屋外タンク貯蔵所、屋内タンク貯蔵所、地下タンク貯蔵所、簡易タンク貯蔵所、移動タンク貯蔵所、屋外貯蔵所

『貯蔵所』って位なのだから、貯めておく何を危険物を、ってことで、見た目にハッキリしています。それぞれに何を指すかは、教科書等で確認してください。移動タンク貯蔵所とは、バルク車、タンクつけて走ってるトラックのことです。


『取扱所』

給油取扱所、販売取扱所、移送取扱所、一般取扱所

給油はスタンド。販売は余り見掛けないけどそういうところがあるのは想像が付きます。移送とはパイプラインで大規模に送っている光景を見た事があると思います、アレです。


で、給油でも販売でも移送でもない取扱所が、『一般取扱所』です。

ここでやっと繋がりました。5Fの入口上にある危険物一般取扱所、とはそういう意味です。

ここで少し注意なのですが、移送取扱所で出てきました『移送』という言葉と『運搬』という言葉は同じような意味に思うのですが、危険物の試験では扱いが違うので注意してください。後々言及します。

今日はこの位で。次から5F内部一般取扱所内部に侵入Reportです笑

折角『製造所等』を一覧したので、こういうのも覚えて置いたら如何かとも思います。

保安距離が必要な施設

製造所、屋内貯蔵所、屋外タンク貯蔵所、屋外貯蔵所、一般取扱所

保安距離が必要でない施設

屋内タンク貯蔵所、地下タンク貯蔵所、簡易タンク貯蔵所、移動タンク貯蔵所、給油取扱所、販売取扱所、移送取扱所

保安距離とは

政令第9条第1項第1号

付近の住宅、学校、病院等の保安対象物に対し、製造所の火災、爆発等の災害が影響を及ぼさないよう、延焼防止、避難等のために確保する距離、です。

Point

タンクは屋外だけ、給油取扱所(ガソリンスタンド)、販売取扱所(塗料屋)は必要ない


保安距離の問題は、住宅や重要文化財等への距離を実際に覚えておくことが必要です。確認してみて下さい。



保有空地(ほゆうくうち、と読みます)とは

政令第9条第1項第2号

消防活動及び延焼防止のために、製造所の周囲に確保する空地、のことです。

保有空地が必要な施設

製造所、屋内貯蔵所、屋外タンク貯蔵所、簡易タンク貯蔵所、屋外貯蔵所、一般取扱所、移送取扱所(地上設置のもの)

保有空地が必要でない施設

屋内タンク貯蔵所、地下タンク貯蔵所、移動タンク貯蔵所、給油取扱所、販売取扱所


保有空地の問題は、指定倍数との絡みで距離が変わることと、各施設の構造なんかと絡まって勉強しておく必要があると思います。


では、次回こそ5Fの一般取扱所に入っていきたいと、思います。


『イオン化傾向』


これが、変に違和感があり、理解し辛い気持ちはわかります。

原子や分子、酸化や還元、物理変化や化学変化、化学式や化学反応式と理解を進める中で、

イオン?イオン化?電離?云々が、凄い唐突な感じがして、理解し辛いです。

故に、少し丁寧に整理していきましょう。


原子は、物質の最小単位です。

その構造は、陽子と中性子から成る原子核とその回りを電子が周回するカタチになっています。電気的にいうと、この電子がマイナスの電気を帯び、陽子がプラスの電気を帯びています。中性子は電気的には中性で、電気を帯びていません。陽子と電子が同じ数ならば、その原子は電気的に中性な訳です。

この電子が、原子間を出入りするので、原子自体が電気的にプラスになったり、マイナスになったりするのです。電子を取り込めば、その原子は、全体として、マイナスを帯び、電子を逃がせば、プラスを帯びるという訳です。

この原子が電気を帯びた状態をイオンといい、そうなることをイオン化といいます。

『イオン化傾向』とは、このイオンに成り易さをいい、乙4試験では、金属のイオン化を取り上げています。以下はイオン化しやすい方から金属の原子を並べています。これを『イオン化傾向』とか『イオン化列』といいます。水素は金属ではないですが、陽イオンに成り易いのでこの中に入るらしいです。何故かはよく分かりません。


Li K Ca Na Mg Al Zn Fe Ni Sn Pb H2 Cu Hg Ag Pt Au

(順番にリチウム、カリウム、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、鉄、ニッケル、スズ、鉛、水素、銅、水銀、銀、白金、金)

語呂は、


リーさん(Li)貸そう(K)か(Ca)な(Na)、ま(Mg)ぁ(Al)あ(Zn)て(Fe)に(Ni)すんな(Sn)ひ(H)ど(Cu)す(Hg)ぎ(Ag)る借(Pt)金(Au)


らしいです。ご参考までに笑

ここで、イオン化傾向を少し違う角度から考えてみましょう。

金属が、液体中で陽イオンになることを『溶ける』、空気中で陽イオンになることを『錆びる』といいます。イオン化傾向で錆びやすさを判断する事が出来る、といった訳です。

以上が、『イオン化傾向』のまとめですが、わかりますか?笑

なんか、こんな周期表がありました。関係無いですけど、こんなんあった的な笑


屋外貯蔵所は、当然に危険物を屋外で保管するので、限定的になります。

◎水と反応するもの

◎自然発火するもの

◎引火点の低いもの

がダメなので第一類(酸化性固体)、第三類(自然発火性物質及び禁水性物質)、第五類(自己反応性物質)、第六類(酸化性液体)は、自(

おの)ずとダメになりますねえ。


第二類と第四類を調べると

第二類(可燃性固体)

    ◎硫黄類(硫黄または硫黄のみを含有するもの)

    ◎引火性固体(ただし引火点0℃以上のもの)

第四類(引火性液体)

    ◎第1石油類(引火点0℃以上のもの)

    ◎アルコール類

    ◎第2石油類

    ◎第3石油類

    ◎第4石油類

    ◎動植物油類

というと第1石油類だけ、引火点0℃以上のものを調べると

 ガソリン(-40℃)×、酢酸エチル(-4℃)×、アセトン(-20℃)×

 、ベンゼン(-11.1)×、ピリジン(20℃)〇、トルエン(4℃)〇

ピリジン、トルエンのみが貯蔵可能になります。


ここで前述の問題をみてみると

(1)灯油② 重油④ 動植物油類

(2)硫黄2⃣ 灯油② カリウム3⃣

(3)アセトン①× 軽油② 灯油③

(4)重油③ ギヤー油④ ジエチルエーテル(特殊)

(5)塩素酸塩類1⃣ シリンダー油④ クレオソート油③

石油類を〇字で、第1類から第6類まで□字で表してみました。


故に、(1)が正解となりますが、まあ、(1)と(3)で迷う事になり、アセトンが第一石油類なのだけど、引火点が-20℃なので、保管出来ないという事が分かりますか?という問題なのです。実は。




勉強する際、必ず以降の事項、危険物の分類を先ず書き出してから、今日の勉強を始めるようにしていました。ではまず、そこから。

  第1類 酸化性固体

  第2類 可燃性固体

  第3類 自然発火性物質および禁水性物質

  第4類 引火性液体

  第5類 自己反応性物質

  第6類 酸化性液体

危険物の分類で、気体はないので、物質といえば固体と液体が両方あるという意味です。第1類と第6類は不燃性、あとは可燃性になります。



第4類 引火性液体の分類

特殊引火物  引火点-20℃以下 指定倍数 50㍑

第1石油類  21℃未満 水溶性200㍑ 非水溶性400㍑

アルコール類 11℃~23℃程度 400㍑

第2石油類  21℃~70℃未満 水1000㍑ 非水2000㍑

第3石油類  70℃~200℃未満 水2000㍑ 非水4000㍑

第4石油類  200℃~250℃未満 6000㍑

動物性油類  250℃未満 10,000㍑


ややこしい書き方になっていますが、順番はこの通りに覚えた方が、引火点や指定倍数に関連性が出るので、出来ればこのままの順番で覚えた方がいいです。

引火点だけでなく、発火点や沸点も抑える事が出来ればいいのですが、先ずは引火点だけでも。

指定倍数は水溶性と非水溶性では倍数もしくは半分の関係になっています。

また順番の前後、第1石油類の非水溶性とアルコール類の指定倍数が同じであるとか第2石油類の非水溶性と第3石油類の水溶性の指定倍数が同じであるという関連性があります。

第4類引火性液体は、分類ごとの代表的な液体を覚えて、その特徴も覚えなければなりませんが、先ずは、大枠を抑える意味でも、全体のイメージを付ける意味でも、この危険物の分類、第4類の分類(引火点と指定倍数を含む)は、ことあるごと、毎回書きだして、徹底的に頭に入れて貰った方がいいです。数字がありますので、忘れたり、ややこしくなったりしますが、順番通り関連づけて覚えた方が思い出し易くなります。これを書きだしてから問題に取り組むという方法は、本番にも使えますので、しつこいようですが、覚えて下さい。の方が問題解きやすいですよ笑

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